今日の流れ
対象は日本時間9月28日06:30から29日06:30までの24時間です。今朝は、発表や取材で確認できた新しい動きを5件掲載します。
Anthropicの新モデル、Metaの企業向け事業の立ち上げ、NVIDIAのエージェント安全基盤という大手3社の発表に加え、フロリダ州によるOpenAIへの差し止め請求と、個人向けAIエージェント新興企業の大型調達を取り上げます。企業の発表、報道機関の取材、裁判所への申し立て段階の話を区別して伝えます。
1. Anthropic:高速化した中位モデル「Claude Sonnet 5.5」を公開
- Anthropicは、Claude 5.5ファミリーの2つ目のモデルとして「Claude Sonnet 5.5」を公開しました。同社によると、Claude Sonnet 5より30%以上速く出力し、少ないトークンで同じ作業をこなすため、タスクあたりの費用は最大30%下がります。料金は入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルで、Sonnet 5と同じです。
- 上位のClaude Opus 5.5を補う位置づけで、範囲が明確な日常業務やバグ修正、文書・スライド・表計算の作成を得意とします。同社の評価では、エージェント型コーディングのTerminal-Bench 4.0で70.6%となり、Sonnet 5の10.3%を大きく上回りました。AWS、Google Cloud、Microsoft Azureでも同日から利用でき、APIのモデル名は
claude-sonnet-5-5です。 - TechCrunchによると、Sonnet 5.5はOpus 5並みのサイバー能力を持つため、FableやOpusと同じサイバー防護策が適用される初めてのSonnetになります。GitHubもCopilotでの一般提供を案内しましたが、利用可能になる範囲は段階的に広げるとしています。出典:Anthropic公式発表・TechCrunch・GitHub Changelog
2. Meta:企業向けAI事業「Meta Enterprise Platform」を始動
- Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、企業向けの新事業「Meta Enterprise Platform」を「事業の次の主要な柱」として始めると発表しました。まずはMuseエージェント、Meta Business Agent、Muse API、Muse Codeなどを企業や開発者に提供します。
- 事業の責任者には、MongoDBのCEOだったChirantan "CJ" Desai氏が就き、ザッカーバーグ氏の直属となります。Desai氏はCloudflareで製品・技術部門を率い、ServiceNowでも社長兼COOを務めた経歴を持ちます。
- TechCrunchによると、CEOの突然の退任を受けてMongoDBの株価は17%以上下落し、同社は前CEOのDev Ittycheria氏を暫定CEOに起用しました。個人向けで広がったMuseを、企業向けの収益源につなげられるかが焦点です。出典:Meta公式発表・TechCrunch
3. NVIDIA:暴走したAIエージェントを隔離する安全基盤を発表
- NVIDIAは「Open Agent Safety Platform」を発表しました。エージェントのアクセス範囲を制御するオープンソースの実行環境「OpenShell」と、データ処理用チップBlueField-4上で動く独立した監視機構「Sentry」を組み合わせ、決められた範囲の外へ出ようとするエージェントを数ミリ秒で隔離するとしています。
- 監視をエージェントが動くCPUやGPUとは別のチップに置くことで、エージェントの動きを独立して見張る設計です。ジェンスン・フアンCEOはCNBCの取材に対し、最近相次いだ試験環境からの逸脱事案をこの基盤なら防げたと述べました。参加企業にはAnthropic、Arm、Microsoft、Oracle、SpaceXなどが並びますが、OpenAIは含まれていません。
- The New Stackによると、新しいOpenShell 0.1.0には、複数のエージェントの権限を組み合わせたときに運用者の意図を超えないかを検証する機能が加わりました。AnthropicはClaude Managed AgentsにOpenShellを組み込む予定です。出典:TechCrunch・The New Stack
4. フロリダ州:OpenAIの新モデル開発差し止めを裁判所に申し立て
- フロリダ州のジェームズ・ウスマイヤー司法長官は、同州の第10巡回区裁判所に仮差し止めを申し立てました。独立した安全対策と承認がないままOpenAIが新しいAIモデルを開発することや、州内の未成年者にChatGPTを提供することの停止を求めています。
- 申し立てでは、13歳未満の子どもの情報を保護者の同意なしに集めることや、ChatGPTを人間のような感情や意識を持つ存在として見せることの禁止も求めました。同州が6月1日に起こした訴訟の手続きの一部です。
- 申し立ては審理前の段階で、裁判所が差し止めを認めたわけではありません。申立書は、OpenAIのエージェントが政府系サイトなどへアクセスした事案も根拠に挙げています。出典:Reuters・WUFT・News4JAX
5. Instinct:個人向けAIエージェント新興企業が10億ドルを調達
- 個人向けAIエージェントを開発する米新興企業Instinctは、Sequoia Capital、Benchmark、Coatueなどからシリーズ Cで10億ドルを調達したと発表しました。企業評価額は100億ドルです。
- TechCrunchによると、同社の評価額は約1か月前の調達時の25億ドルから4倍になりました。Instinctは8月に招待制で提供を始め、旅行や飲食店の予約、買い物、支払い、解約手続きなどを利用者に代わって進めます。
- 一方で、利用者が多くの個人情報をエージェントに渡す必要がある点には懸念も出ています。同社は利用者数などの指標を公表しておらず、MetaのMuseなど大手の個人向けエージェントとの競争も強まっています。出典:TechCrunch